発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010292465
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44歳男。腹痛と便柱狭小化を主訴に近医受診し、横行結腸の腸重積症を疑われ当科に紹介された。腹部CTで横行結腸のほぼ中央に、口側腸管が肛門側腸管に重積し馬蹄形を呈している所見が認められた。大腸内視鏡で横行結腸に隆起性病変を認め、脂肪腫の可能性を考えたが、腫瘤は硬く、大腸脂肪腫に特徴的なpillow signやcushion signは認められなかった。大腸内視鏡で重積の解除を試みたが困難であった。翌日に強い腹痛を訴えたため緊急手術を施行し、重積を解除したのち横行結腸部分切除を行った。切除標本の肉眼的所見は亜有茎性の隆起性病変であり、病理組織学的に大腸脂肪腫と診断した。経過は良好で、術後10日目に退院となった。
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