発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017032247
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60歳代女。左上腹部痛を主訴とした。腹部造影CTでは横行結腸にtarget signを認め、腸重積症と診断したが、先進部の評価は困難であった。下部消化管内視鏡検査では横行結腸に内腔全体を占める暗赤色の腫瘤性病変を認め、生検では陰窩上皮の一部に鋸歯状変化を認める過形成性ポリープの診断であった。同時に行った消化管造影検査では、重積は解除され先進部の腫瘤性病変は横行結腸の肝彎曲部付近に存在していた。入院7日目に腹腔鏡下手術により大網と肝臓および胆嚢の癒着剥離後、リンパ節郭清D3を伴う結腸右半切除術を施行した。病理組織学的に粘膜下に肥厚と拡張の目立つ脈管構造を認め、免疫染色では脈管内腔を裏打ちする細胞はD2-40陽性であり、腸重積先進部の腫瘍をリンパ管腫と診断した。術後経過良好で第10病日に退院した。
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