発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010200985
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49歳女。左側腹部痛が出現し、腹部CTで下行結腸の腫大、同心円状の多層構造を認めた。注腸造影では下行結腸の腸重積先進部にカニの爪状の陰影欠損を認め、腸重積は用手的に整復され、脾彎曲付近の横行結腸に5cm大の腫瘤陰影を認めた。大腸内視鏡で腫瘤は管腔の大部分を占居するIp型ポリープで、生検結果はGroup 4、高分化管状腺癌疑いであった。横行結腸ポリープによる腸重積と診断し、腹腔鏡補助下手術を施行した。腫瘍部の周囲に癒着はみられず、脾彎曲部を中心に横行結腸左側から下行結腸まで後腹膜より授動し、左上腹部のポート創を延長して体外で腫瘍を含む結腸を15cm切除した。1群リンパ節を郭清し、機能的端々吻合で再建した。切除標本でポリープは50×30cm大、幅10mmの茎を有し、病理学的には管状および絨毛状パターンを示す腺腫病変の一部に高分化型腺癌がみられ、深達度はM、リンパ節転移はなかった。経過良好にて術後9日目に退院した。
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