発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014367337
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93歳男。検診で便潜血を指摘された。血液検査で軽度のHb低値、CEA高値を認め、大腸内視鏡で上行結腸に半周性の2型の潰瘍性病変を認めた。CTでは上行結腸に造影効果を伴う不整な全周性の壁肥厚・腫瘤を認め、周囲に著明に拡張・蛇行する静脈を認めた。一部は後腹膜の静脈へ還流していた。三次元CT angiographyでは肝下面に沿う様に静脈瘤を認め、中結腸静脈を介して門脈に還流していた。また、右側腸間膜内に著明に拡張・蛇行する静脈を認めた。基礎疾患がなく、原因不明な腸間膜静脈瘤を合併した上行結腸癌と診断し、腹腔鏡下にD3郭清を含む右半結腸切除術を施行した。切除標本所見で6×4cmの2型腫瘍を認め、病理診断は高分化~中分化型腺癌、深達度SS、リンパ節転移なしであった。腸管壁内に血管形成異常や動静脈奇形などの血管異常は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014