発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014343879
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87歳男。食思不振を主訴とした。腹部単純X線所見にて、拡張小腸ガス像、右下腹部に異物が認められた。胸腹部単純CT所見では、右肺背側部を中心に浸潤影、小腸拡張像、回盲部近傍に金属濃度の異物が認められた。誤嚥性肺炎、義歯誤飲によるイレウスの診断で、経鼻イレウス管挿入となった。大腸内視鏡を施行したが、観察不良で異物摘出は困難と思われ、手術となった。手術所見にて義歯はBauhin弁から約15cm口側の回腸内に存在し、盲腸は腹壁に癒着しており。Bauhin弁付近に硬結を触知した。回盲部切除術を施行し、回腸は浮腫状で上行結腸・回腸ともに便貯留がみられたため、回腸瘻を造設した。切除標本所見では、Bauhin弁に発生した亜全周性の3型腫瘍で、病理組織学的にtub1、pSI、pN0、pM0、Stage IIであった。術後5日目に食事開始し、術後72日目に退院した。
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