発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011034212
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76歳女性。患者は下腹部痛が出現し近医を受診、投薬加療により一時軽快したものの再燃し、10日間の絶食状態による経過観察が行われたが、増悪傾向がみられため、著者らの施設へ紹介入院となった。腹部超音波ならびにCT所見から回盲部付近での腸重積、汎発性腹膜炎が疑われ、緊急手術を行ったところ、術中所見では盲腸および回腸末端が上行結腸から横行結腸にまで約30cmにわたり腸重積を起こしていた。そこで、用手的に腸重積整復を試みたが、回腸は壊死・穿孔を起していた。また、回盲部には腫瘤が触知され、右半結腸切除術+2群リンパ節郭清が施行された。その結果、切除標本の病理組織学的所見から本症例は盲腸癌(高分化型腺癌、2型、pSS、med、INFb、ly1、v1、pPM0、pRM0、pn1、pStage IIIa)と診断された。尚、患者は手術から5日目に創感染を発症したが、すぐに軽快し、以後は経過良好であった。
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