発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014140148
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症例は46歳男性で、右腰背部からの滲出液排出を主訴に、近医精査にて高分化腺癌を指摘され、当科紹介となった。臨床所見や腹部CT所見より、膿瘍を伴う右腹斜筋群、腸腰筋、腸骨に浸潤がおよぶ盲腸癌と診断し、随伴する炎症の消退を期待してイレオストミーをおいた後、根治手術を行う方針とした。まず、内側アプローチによるno touch isolation techniqueで支配動脈根部郭清と腸管切離を先行させ、結腸右半切除術を行った。次に皮膚瘻より約2cmのマージンをとり、右腹壁・腸骨を合併切除し、腹腔内の剥離層に連続させて腫瘍を摘出後、欠損部を腹直筋皮弁で再建し、手術を終了した。病理組織学的に腸管皮膚瘻を合併した高度進行盲腸癌と診断され、術後経過良好で術後19病日に退院し、術後補助化学療法としてXELOX療法を施行した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014