発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014343878
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12歳女児。腹痛、嘔吐を主訴とした。腹部単純CT所見にて、下腹部やや左寄りの小腸に著明な拡張とtarget signがあり、腸管壁は浮腫性に肥厚し、少量の腹水があった。小腸型腸重積と診断し、腹膜刺激症状が強かったため、ただちに緊急開腹術を施行した。Treitz靱帯から約60cmの空腸に4cm大の腫瘤があり、これを先進部として約40cm重積し、腸管は浮腫が強く、径が約8cmに拡張していた。重積先進部から口側へ小腸を20cm縦切開して整復した。腫瘤部5cmと切開部20cmを切除し、それぞれ層々で端々吻合した。切除標本の病理組織学的所見にて、分岐した筋層の挙上が明瞭で、上皮の大部分は脱落していたが、粘液産生が亢進した上皮が遺残しており、空腸Peutz-Jeghers型過誤腫性ポリープと診断した。術後経過は順調で、術後9日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014