発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007136160
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66歳女。突然の腹痛が出現し、腹部理学的所見および血液生化学検査成績より急性膵炎と診断された。内科的薬物治療で膵炎症状は漸次軽快した。発症約1ヵ月後に転院した。CT所見より急性膵炎後の膵膿瘍と診断し、経皮的膿瘍穿刺を施行した。ドレナージチューブからの膿瘍腔洗浄を連日繰り返したが、膿汁排泄が持続した。画像所見より、膿瘍腔は主膵管と交通性を有し、さらに十二指腸下行部と下行結腸との2ヶ所に瘻孔を形成していることが判明した。保存的治療の限界と考え、瘻孔閉鎖を含む完全ドレナージを目的に開腹術を施行した。順調に経過し術後127日目に人工肛門造設状態で軽快退院した。初回手術より約1年10ヵ月後、横行結腸、下行結腸吻合術を施行し、回腸人工肛門閉鎖術を行った。現在も外来通院中であるが、経過良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007