発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009154666
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63歳男(症例1)。1ヵ月前より食後一過性に腹痛、嘔吐を認めていたが、夕食後、突然激しい腹痛、嘔吐が出現した。体温39℃、左上腹部を中心に腹部全体に著明な圧痛、左上腹部のBlumberg徴候を認めた。横行結腸癌穿孔による急性腹膜炎と診断し緊急手術した。D2リンパ節郭清術を伴う横行結腸切除、胃局所切除・人工肛門造設術を施行し、二期的吻合を行った。感染巣は縮小したが完治せず術後40日目人工肛門閉鎖術・瘻孔切除術、63日目にフェノール併用フィブリン糊充填法(本法)を施行した。58歳男(症例2)。直腸癌術後、直腸穿孔部を一次口とする肛門周囲膿瘍を形成し、仙骨創部より便排出を認めた。術後17日目に人工肛門造設術を施行したが直腸皮膚瘻孔が遷延したため術後83日目に直腸皮膚瘻孔根治術を施行した。本法を行い、人工肛門閉鎖術、人工肛門再造設術、人工肛門閉鎖術と繰り返した。
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