発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012155107
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21歳男。2歳時程度の知的レベルの精神発達遅滞の既往があり、5日前に異物誤飲の可能性、3日前より食事摂取量の低下、嘔吐が出現した。腹部単純撮影で腹腔内に異物を認め入院となった。腹部は軽度膨満するが腹膜刺激症状はなく、CRPのみ著明に上昇し、腹部X線で右下腹部に異物を、小腸に鏡面像を認め、異物による回盲弁の通過障害による腸閉塞と診断し緊急手術を施行した。回腸末端に異物はなく、小腸と横行結腸中央部が密着し、それぞれの内腔に異物を認め、口側小腸は軽度拡張し、対向する両腸管壁は非常に薄くなっており、両者とも部分切除を行った。小腸、横行結腸とも腸間膜反対側に磁石の形状に一致した潰瘍を認め、小腸内に3×0.9cmと1.8×0.8cmの2個の磁石、横行結腸内に1.8×0.2cmの磁石2個を認めた。また、病理所見より小腸、横行結腸とも漿膜に達する深い潰瘍形成を認め、粘膜下層に線維化を認めた。第31病日に軽快退院した。
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