発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012155109
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80歳女。貧血と黒色便の精査加療目的に受診した。腹部は平坦・軟で、自発痛・圧痛は認めなかった。下部消化管内視鏡で上行結腸のBauhin弁対側に約3.5cm大の易出血性、表面塑像な隆起性病変を認め、造影CTで上行結腸の一部に腫瘤像を認めた。生検所見より、間質に軽度の形質細胞浸潤と水腫を認めたが、杯細胞の結腸上皮は保たれ、腫瘍性病変は認めなかったが、出血源および悪性の可能性を考え、腹腔鏡補助下回盲部切除術(D2)を施行した。腹腔内に転移性因子は認めず、病変部を含めた回腸と上行結腸を腹腔外へ引出し、病変部より口側の回腸10cmと上行結腸の病変部より肛門側10cmを切離した。病理所見では、粘膜下に平滑筋様細胞が線維束を形成して増生し、平滑筋様細胞は均一で異型を示す部分はなく核分裂像が多かった。免疫染色でα-SMA陽性、CD34陰性、c-kit陰性で、平滑筋肉腫と診断した。術後9ヵ月現在、再発や転移は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2011