発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007038505
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症例は64歳の女性で、食事のつかえ感が出現し、近医にて上部消化管内視鏡検査により食道粘膜下腫瘍を指摘され、紹介受診した。理学所見に異常なく、血液検査は白血球の減少以外には異常はなかった。上部消化管透視検査にて下部食道から吻門部にかけて圧排像を認め、上部消化管内視鏡にて粘膜下腫瘍を認めた。腹部CTでは径3.2cm大の造影剤にて均一に染まる腫瘍として認められた。以上から、平滑筋腫を最も疑って左開胸開腹にて腫瘍の核出術を行った。切除標本では腫瘍は径6.0×4.0×2.5cmで凹凸のある割面が白色充実の腫瘍で、出血は認めなかった。病理組織所見は紡錘形ないし多角形の間葉系細胞の強い増殖を認め、食道gastrointestinal stromal tumor(消化管間質腫瘍:GIST)と診断した。術後経過は良好で、術後4ヵ月の時点では再発はなく社会復帰している。
©Nankodo Co., Ltd., 2006