発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012123281
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30歳代男。咽頭部痛があり抗菌薬を投与するも改善しないため、当科入院となった。CTで深頸部膿瘍と扁桃から連なる膿瘍の縦隔内進展が疑われ、経頸部膿瘍掻爬、経頸部縦隔ドレナージ、気管切開を施行し、術後も抗菌薬を投与した。炎症反応は改善傾向を示したが、X線およびCTで縦隔膿瘍の拡大が指摘された。縦隔膿瘍に対して緊急手術を行った。頸部より気管周囲膿瘍を掻爬し、さらに胸腔鏡下で切開で排膿し、縦隔膿瘍を掻爬し、経頸部縦隔ドレナージ、洗浄、経胸腔縦隔ドレナージを施行した。炎症反応は改善したが、抗菌薬投与中にも関わらず菌血症を認めたため、エンドトキシン吸着療法を1回施行したところ、著明に改善がみられた。術後1年で明らかな再燃を認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2011