発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015199767
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42歳女。他院にて再大動脈基部置換術後に縦隔洞炎を発症し、連日洗浄ドレナージを施行され、第28病日に当院転院となった。受診時、前胸部正中創は大きく欠損・離開し、創部径は20×9.5cmであった。胸部単純CTでは正中で創部は離開し、同部位周囲および大動脈との間に軟部影を認めた。転院後、縦隔洞炎に対し陰圧閉鎖(VAC)療法を開始したところ、第50病日には正中創離開部分は16×4cmまで縮小し、良性肉芽の増殖を認め、創部培養が陰性化したためVAC療法を終了した。第60病日に正中創に対して分層植皮術を行い、植皮の生着は良好であった。また、VAC療法にはポータブル吸引器を使用したため、早期より心臓リハビリテーションを開始することが可能で、呼吸機能をはじめとするADLの向上が得られた。
©Nankodo Co., Ltd., 2015