発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012169650
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症例1は32歳男性で、排膿を主訴とした。肛門周囲や両側臀部皮下に多発膿瘍を認め、複数の二次口を認めた。CTで肛門周囲や両側臀部皮膚に広範な肥厚と皮下に多発膿瘍を認めた。膿瘍の一部は肛門管前壁からの痔瘻と交通していた。症例2は50歳男性で、排膿を主訴とした。肛門周囲や左側臀部皮下に多発膿瘍を認め、複数の二次口を認めた。CTで左側臀部に膿皮症の皮膚膿瘍を認め、痔瘻と交通していた。2例とも膿皮症を合併した複雑痔瘻と診断し、膿皮症に対し切開排膿とcoring out法を施行し、複雑痔瘻に対しseton法を行った。2例とも術後経過は良好で、術後4日に退院となった。約8ヵ月でゴムは自然脱落して痔瘻は治癒した。膿皮症も皮下組織と皮膚が再生して治癒した。1年以上経過したが、合併症や再発は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011