発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010071376
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著者らは降下性壊死性縦隔炎の3症例(症例1:typeIIB、症例2、3:typeIIA)を治療し、救命できたので報告した。症例1(55歳男性)。発熱、呼吸困難を主訴とした。胸部X線上では縦隔の拡大がなかったことから、発症から最初のドレナージ治療まで2週間を要した。全身状態が悪く、全身麻酔や分離肺換気が困難と判断し、局所麻酔下に縦隔・心嚢・頸部ドレーンを施行した。腎機能障害、血球どん食症候群が出現したが、持続透析やステロイド投与により改善した。症例2(55歳男性)、症例3(71歳女性)。咽頭痛、嚥下困難を主訴とした。当初、両例は右深部頸部膿瘍の診断で治療されていたが、その後のCTで気管周囲の膿瘍が認められ、診断に至った。保存的加療、頸部ドレナージのみでは改善せず、経胸壁縦隔ドレナージが施行された。尚、症例2、3には胸腔鏡でアプローチしたが、手術侵襲が少なく、縦隔・胸腔のどの部位にもアプローチ可能であり、有用であった。
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