発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011034184
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外科的治療を行った降下性壊死性縦隔炎5例(男3例・女2例・57~83歳)について報告した。いずれの症例も糖尿病やステロイド内服などの基礎疾患はなかったが、1例で多数のう歯を認めた。初発感染巣は咽頭炎、扁桃炎で、発症後2~41日に紹介受診し、内科的治療として抗生物質投与が行われていた。外科的治療の内訳は、頸部アプローチのみで上縦隔の膿瘍のドレナージが可能であったのが2例、腹腔鏡を補助として開胸による縦隔ドレナージを併用したのが3例であった。1例は縦隔膿瘍が存在するにも関わらず前医で胸腔ドレナージのみ施行され、ショック状態で当院搬送された。また、他の2例は術後CTでドレナージ不良部位を認め、初回手術後それぞれ5日目、8日目に再度ドレナージを要した。在院期間は24~73日で、全例救命できた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010