発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014298167
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59歳男。右耳下部の痛み、腫脹、嚥下困難を主訴とした。急性喉頭蓋炎の診断で入院となり、CTでは喉頭蓋の浮腫と右側優位に周囲の膿瘍を認め、薬物療法を行うも膿瘍は増大して左側にも伸展した。右扁桃摘出、ドレナージ、気管切開術を行ったが、14日目のCT再検では上縦隔気管周囲や左主気管支、食道周囲に膿瘍や浮腫を認め、降下性壊死性縦隔炎(DNM)と診断した。本例は、上縦隔は右側優位、気管分岐部周囲は左側が有意な両側例であることから、右側アプローチによる胸腔鏡補助下開胸術を選択し、上縦隔の上大静脈後方の胸膜を切開して排膿を確認した後、気管前面、気管分岐部から左主気管支までの結合織を除去してドレナージを行った。術後は大きなトラブルなく経過し、炎症所見は改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014