発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010160812
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70歳男。腹痛を主訴とした。関節リウマチ(RA)のため、49歳時よりステロイド、非ステロイド性抗炎症薬を服用していた。血液検査、腹部単純X線、腹部CT、上部消化管内視鏡各所見より、消化管穿孔、下部消化管穿孔による腹膜炎を疑った。腹腔鏡下で緊急手術を行ったところ、肝彎曲部よりの横行結腸に穿孔を認めた。開腹手術へ移行して同部に約6mm大穿孔を認めたため、横行結腸部分切除を行った。また、穿孔部位より20cm肛門側で腸管壁が脆弱化した部位を切除した。口側結腸で人工肛門を造設し、右傍結腸溝とDouglas窩にデュアルドレーン留置を行った。病理組織学的所見より、RAに続発した消化管アミロイドーシスによる横行結腸穿孔と診断した。術後経過は良好であったが、第6病日にDouglas窩のドレーンより多量の便汁を排出し、同日、敗血症ショックで死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010