発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014140150
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症例は20代男性で、軽自動車運転中に対向車と正面衝突し救急搬送された。腹部CTにて腹腔内出血、消化管損傷を認め、緊急手術を施行したところ、横行結腸と横行結腸間膜の広範囲損傷を認めたため、横行結腸切除術を行った。手術時に膵臓には明らかな損傷を認めなかったが、術翌日のドレーンアミラーゼ値が著明に高く、術後2日目の腹部CTで上腸間膜静脈右側の膵頭部に亀裂様の所見を認めた。内視鏡下にステントの挿入を試みたが、内視鏡的膵管造影で主膵管は膵頭部で完全断裂し、末梢側の膵管は描出されず、ステントの挿入不可能であった。以上より、膵頭部主膵管損傷を伴う膵外傷と診断し、DuVal手術を施行した。術後経過は良好で、術後3年経過した現在、主膵管の拡張は認められなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014