発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016351584
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81歳女性。子宮体癌に対する術後放射線治療10年後に腹痛、食欲不振が出現、ほかに著明な脱水を認めたため、著者らの施設へ入院加療となった。絶食・補液・抗生物質による保存療法を開始したが、入院5日目の腹部CTで臍下部やや右側の小腸周囲にfree airを認め、病歴および検査所見から放射線性腸炎の穿孔が強く疑われた。以後、小腸周囲のfree airの増加傾向がみられ、入院22日目に開腹手術を行なった。手術は回腸末端より約90cmの小腸から横行結腸口側1/3までを切除し、小腸と横行結腸を端側吻合で再建した。その結果、切除標本では回腸末端から約60cmの回腸に穿孔部を認め、病理組織学的に放射線性腸炎と最終診断された。術後は麻痺性イレウスを認めるも絶食にて改善し、患者は術後20日目には退院となった。尚、現在まで再燃や新たな病変の発生はみられていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2016