発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010079907
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59歳男。胃全摘術の1ヵ月後に食事摂取困難となり、食道空腸吻合部の瘢痕性狭窄と診断した。治療は初め内視鏡的バルーン拡張術を行い、6ヵ月の間に計14回施行したが、次第に十分な拡張効果が得られなくなったため外科的切除を行った。手術では上腹部正中切開に加え左第7肋間で開胸することにより狭窄部口側の食道を十分に視野にとらえることができ、胸部・腹部操作を同一の術野で行うことが可能であった。食道空腸吻合部は線維組織によって硬化し、食道裂孔と高度に癒着していたが、一括切除が可能であった。挙上した空腸には十分な距離が確保できたため、circular staplerを用いて食道空腸端側吻合を行い、良好な結果が得られた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010