発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017342236
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75歳男。経口摂取不能と体重減少を主訴とした。早期胃癌に対して腹腔鏡下胃全摘術、機能的端々吻合法(FEEA法)による食道空腸吻合が行われたが、術後6ヵ月より通過障害が生じた。血液検査所見では軽度の貧血以外に異常を認めず、上部消化管内視鏡では吻合部は拡張し、吻合部の遠位側空腸は屈曲していたが、アングルをかけることでスコープは通過可能であった。胸腹部造影CTでは吻合部全体が縦隔内に引き込まれて拡張しており、挙上空腸起始部は屈曲して横隔膜脚で圧迫され、狭窄していた。開腹下に食道空腸吻合部を切除・再吻合する方針とし、サーキュラーステープラー法による端側再吻合を行った結果、術後自覚症状は劇的に改善して経口摂取可能となり、body mass indexは16.7から22.5まで回復した。本例の遅発性通過障害はFEEA法に起因するものと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2017