発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013255233
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症例は86歳男性で、約9ヵ月前に早期胃癌に対し腹腔鏡補助下幽門側胃切除、D1+郭清、結腸前R-Y再建術を施行され、経過良好で再発もなかった。今回突然の上腹部痛が出現し当院救急外来受診となった。来院時、腹部ダイナミックCTで多量の腹水を認め、輸入脚空腸は上腹部の腸間膜根部付近で嘴状に狭小化し、同部付近の小腸は造影効果の著明な減弱が認められた。また小腸腸間膜の軸捻転により腸間膜血管のwhirl signおよび伸展像が認められた。結腸前R-Y再建術後の絞扼性イレウスと診断し緊急手術となった。臍部に12mmポートを挿入し、両側下腹部に5mmポートを挿入して腹腔内を観察したところ、Jejunojejunostomy mesenteric defectに空腸-空腸吻合部より肛門側の小腸が陥入し長いループを形成しており、左側腹腔内に移動し、空腸-空腸吻合部を軸とする捻転も付加され同部で絞扼されているのが認められた。鉗子を用いて左側腹腔内に陥入した小腸を右側腹腔内に戻し、絞扼を解除した。術後経過は良好で術後7日目に退院となり、以後癌、イレウス、ヘルニアの再発はない。
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