発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013367594
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77歳男。4ヵ月前、胃体上部後壁の胃癌に対し胃全摘術を施行し、Roux-en-Y法で再建した。食道空腸吻合には自動吻合器を用いた。腫瘍はU、Post、2型、25×20mmで、病理診断は中分化管状腺癌(tub2)、病期はT2N0H0P0CY0M0、IB期であった。術後経過は概ね良好であったが、術後16日および2ヵ月の2回にわたって肺炎を来たし、いずれも加療改善した。術後4ヵ月につかえ感と吃逆が出現し、食道造影で胸部下部食道に移動性のある類円形の物体を認めた。なお、食道空腸吻合部の通過は良好で、吻合部狭窄はなかった。食道異物と診断して消化器内科で食道内視鏡検査を施行し、胸部下部食道に黄色の類円形の異物を認め、内視鏡的に摘出した。異物は鶏肉と推測された。食道空腸吻合部の太径ファイバーの通過は可能で、吻合部狭窄はなかった。食道異物の摘出から6ヵ月を経過したが、食道異物の再発徴候はなく、また胃癌の再発もない。
©Nankodo Co., Ltd., 2013