発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010028524
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61歳女性。患者は左乳房腫瘤を主訴とした。触診では左乳房C領域に硬い腫瘤が認められ、直上の皮膚には皮膚浸潤があり、腫瘍周囲の皮膚には浮腫がみられた。マンモグラムでは石灰化を伴う4.0cmの不整な腫瘤が認められ、エコーでは充実性腫瘤として描出され、CTでは左腋窩リンパ節の腫大が認められた。また、穿刺吸引細胞診では乳頭腺管癌が疑われた。以上より、本症例は左乳癌(Stage IIIB)と診断され、術前化学療法としてFEC100後にweekly docetaxelが施行されたが効果がみられず、大胸筋温存乳房切除術+Level IIIリンパ節郭清が行なわれた。その結果、病理組織学的に扁平上皮癌であり、術前化学療法が扁平上皮癌への分化を促進した可能性が考えられた。尚、術後は補助療法を行わず、経過観察とした。
©Nankodo Co., Ltd., 2009