発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017028498
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52歳女。32歳時より特発性血小板減少性紫斑病(ITP)に対しプレドニゾロン投与中であった。今回、左乳房腫瘤を主訴に当科受診し、臨床経過および精査の結果より、ITPを合併したstage IIBのHER2陽性乳癌と診断した。術前化学療法としてfluorouracil+epirubicin+cyclophosphamideを4コース施行後、DOC、trastuzumab療法を4コース施行したところ、腫瘍縮小効果(clinical CR)だけでなく、副次的に血小板数の増加が得られた。左乳房温存手術およびリンパ節郭清術を行い、化学療法の組織学的効果判定はpCTであった。術翌日よりプレドニゾロン内服を再開し、経過良好にて術後7日目に退院となった。退院後はtrastuzumab療法、放射線治療を行い、術後2年経過した現在、再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2016