発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013373068
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症例1(67歳男性)。左乳房腫瘤を主訴に近医を受診、左乳癌と診断され、加療目的にて著者らの施設へ受診となった。乳房超音波では左乳房E領域に1.5cm大の円形腫瘤を認め、境界明瞭で内部はやや不均一、後方エコーはやや増強し、前方境界線の断裂が認められた。胸部CTでは明らかな胸筋浸潤はなく、腋窩リンパ節腫大は認めなかった。以上、これらの所見より、本症例は左男性乳癌と診断され、胸筋温存乳房切除術と色素法によるSN生検を行い、術後はTamoxifen投与を開始した。その結果、現在までは再発徴候は認められていない。症例2(69歳男性)。右乳房腫瘍を主訴に受診となった。所見では右乳房E領域に約1.5cm大の腫瘤が露出し、スピクラを伴った辺縁微細鋸歯状の高濃度腫瘤を認め、カテゴリー5と判定した。以上より、本症例は右男性乳癌と診断され、胸筋温存乳房切除術と色素法によるSN生検を行い、術中にSN 3個の転移が認められたことから、腋窩郭清が行われた。更に術後はFluorouracil/cyclophosphamide/epirubicin(FEC)投与が行われた。その結果、現在はTamoxifen投与で経過観察中であるが、現在までに再発徴候は認められていない。
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