発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009331702
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52歳女。12年前に左乳房線維腺腫で左C領域の腫瘤摘出術を受けており、今回、創部直下にしこりを自覚し当科受診した。左側乳房C領域に不整形の腫瘤を触知し、マンモグラフィでは左乳房に20×15mm大の辺縁整な高濃度の腫瘤陰影を認め、一部石灰化も認めた。乳腺超音波では左乳房に辺縁やや不整、楕円形の腫瘤を認め、内部エコーは均一な低エコー像を呈し、後方エコーの増強は認めず、MRIでは同部位に辺縁放射線状の腫瘤性病変を認めた。穿刺吸引細胞診でclass Vの扁平上皮癌が疑われ、針生検では乳腺扁平上皮癌の診断であった。前回の創部直下に乳房温存術(Bq+Ax)を施行し、病理組織学所見より乳腺扁平上皮癌、波及度(g)、ly1、v0、断端(-)、ER(-)、PgR(±)、HER2(-)、リンパ節転移なし(Level I:0/7、Level II:0/1)と診断された。術後は放射線療法および化学療法を行い、経過は良好で、術後1年7ヵ月の現在、無再発で生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009