発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011084263
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54歳女。右D領域を主体に3cmの腫瘍を触知し腋窩リンパ節腫大を認め、マンモグラフィでdistortionに重なって微細線状、微細分枝状の石灰化、超音波で18mmの境界不明瞭な分葉状低エコー域を認め、右腋窩に21mmの腫大リンパ節を認め、生検で浸潤性乳管癌と診断した。MRIで14mmの辺縁微細鋸歯状の腫瘤と周囲に45×35mmの区域性乳管内進展を認め、PET-CTで遠隔転移は認めず、T1cN1M0、stageIIAと診断した。術前化学療法(NAC)でdocetaxel、FEC100を施行後、PET-CTで異常集積は消失し肝転移も認めず、MRIでCRと判断し、胸筋温存乳房切除術+腋窩郭清を施行した。病理所見より乳管内病変は残存したが浸潤部とリンパ節で癌は消失しpCRとし術後補助療法trastuzumabを投与した。術後4ヵ月に心窩部の違和感、GOT/GPTとCEAの上昇、超音波とPET-CTで多発肝腫瘤を認め、肝生検で乳癌肝転移と診断し化学療法をHVに変更して4クール施行後肝転移はPRで治療継続中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010