発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006198949
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50歳女性.患者は下腹部痛と排便時出血を主訴に近医を受診,直腸腫瘍が指摘され,著者らの施設へ紹介入院となった.入院時,腫瘍マーカーはCEA,CA19-9ともに正常範囲で,S状結腸内視鏡および注腸造影では直腸S状結腸部に2型腫瘍が認められた.更に腹部CT・MRIではダグラス窩と右側paracolic gutterに腹水を認め,骨盤腔左側には嚢胞性腫瘤が確認された.以上より,卵巣転移を伴う直腸癌を疑い,前方切除術,両側付属器切除,虫垂切除を行なった結果,病理組織学的に原発巣の組織型は高分化腺癌で,直腸癌の卵巣転移と診断された.術後,5-FU/levofolinate calcium療法を6クール行ない,その後folinate・tegafur・uracil療法を17クール施行し,30ヵ月後現在,無再発生存中である
©Nankodo Co., Ltd., 2006