発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006198948
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88歳男性.患者は右下腹部痛と発熱を主訴に近医を受診,急性虫垂炎を疑われ,著者らの施設へ紹介入院となった.入院時,炎症反応の軽度亢進が認められたが,腹部CTでは異常所見はみられず,当初,急性虫垂炎や大腸憩室炎などを考え,保存的治療を開始した.しかし,入院2日後に右下腹部痛の増強と炎症反応の増悪を認め,腹部CTにて回盲部周囲脂肪織の炎症像が確認された.回盲部限局性腹膜炎と診断し,緊急手術を施行したところ,開腹所見にて回腸穿孔による腹膜炎が確認された.病理組織学的には回腸憩室炎穿通による腸間膜膿瘍で,回盲部切除術後,神経因性膀胱による一過性排尿障害を認めたが,経過は良好であった
©Nankodo Co., Ltd., 2006