発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005264373
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60歳女.患者は胃癌に対し幽門側胃切除を施行し,化学療法10クールの後,3年までtegafur/uracil内服を行っていた.だが今回,腹部CTで直腸壁の肥厚を指摘され,精査となった.下部消化管内視鏡では肛門縁から7cmの部位に全周性の狭窄を認め,4ヶ所からbiopsyを行い,poorly differentiated adenocacinomaが疑われた.更に注腸造影を行ない,その所見を含め,4型大腸癌または胃原発性転移性直腸癌との判断で手術を施行した.病理組織所見では,癌細胞は腺管の構造はとらず直腸壁を這うように浸潤し,胃癌の病理像に類似した低分化腺癌であった.直腸切除端,直腸粘膜面へも癌細胞は浸潤しており,卵巣表面にも認めた小結節にも同様の癌細胞がみられ,胃癌からの腹膜播種による転移性直腸癌と診断された
©Nankodo Co., Ltd., 2005