症例
急速に腫大する卵巣腫瘍に対してCytokeratin 7/20の免疫組織染色によりS状結腸癌卵巣転移と診断した1例
柿沼 薫
1
,
大和田 倫孝
,
田川 実紀
,
今井 賢
,
野中 宏亮
,
柿沼 敏行
,
岡田 真也
,
一瀬 雅典
1国際医療福祉大学病院 産婦人科
キーワード:
S状結腸腫瘍
,
リンパ行性転移
,
腺癌
,
免疫組織化学
,
卵巣腫瘍
,
卵巣摘出術
,
Keratin-20
,
Keratin-7
,
腹部CT
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Immunohistochemistry
,
Lymphatic Metastasis
,
Ovarian Neoplasms
,
Ovariectomy
,
Sigmoid Neoplasms
,
Keratin-7
,
Keratin-20
pp.369-373
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00535.2017202864
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症例は35歳女性で、S状結腸癌完全切除後1年のフォローアップCTで腹水の貯留に加え、約22cmに右卵巣の腫大、さらにCEA値の再上昇を認めた。超音波断層法では、多房性嚢胞で、22×19×10cmに腫大した有卵巣を嚢胞内に充実性成分を認めた。ダグラス窩には腹水の貯留を確認した。卵巣悪性腫瘍と診断したが、原発かS状結腸癌からの転移かの鑑別は困難であった。卵巣悪性腫瘍の診断で、単純子宮全摘出術、両側卵巣・卵管切除術および大網部分切除術を施行した。病理結果は中等度分化型腺癌でS状結腸癌の組織像と類似した。cytokeratin 7陰性、20陽性で、S状結腸癌卵巣転移と診断した。右卵巣には被膜浸潤や播種巣はなく、さらに左卵巣、子宮、大網にも病変はなく、また腹水中に悪性細胞は認めなかった。
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