発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016142689
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64歳男。健診にて便潜血陽性を指摘された。下部消化管内視鏡で肛門縁より8cmの直腸Rabに下縁を有する半周性2型病変と、肛門縁より5cmの直腸Rbに15mm大の粘膜面に軽度発赤を伴う半球状隆起性病変を認めた。下部消化管内視鏡下注腸造影および造影CT所見と併せて、主病変の直腸癌はRab、cT3、cN1、cM0、cStage IIIaと診断し、その肛門側の腫瘤は粘膜下腫瘍や直腸癌の同時性肛門側壁内進展(IDS)の可能性が考えられた。腹腔鏡下超低位前方切除術+回腸人工肛門造設術を行い、病理診断は直腸癌(Rab、tub2、Type 2、42×38mm、pT3(A)、ly0、v1、pN2(5/25)、pStage IIIb)からの同時性IDSであった。術後補助化学療法としてCapeOX療法を6ヵ月施行後に回腸人工肛門閉鎖術を行い、現在術後12ヵ月間無再発生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2015