発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006078612
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腫瘍の扱いや発症時期により対照的な臨床経過をたどった2例の消化管間質腫瘍(GIST)を報告した.症例1(79歳女)は卵巣腫瘍疑いで婦人科手術中,腫瘍が胃から壁外性に発育していることが判明した.肉眼的にGISTと考えられ,外科チームにより摘出された.腫瘍は17×13×10cmで,紡錘形の腫瘍細胞が柵状配列して増生し,核分裂像も高頻度に認められた.C-kit,CD34陽性であった.術後5ヵ月で腹膜播種を認め,術後7ヵ月目に死亡した.症例2(76歳女)は画像検査により胃壁外性に発育したGISTと術前診断し開腹手術を行い,腫瘍やその被膜を損傷することなく愛護的に腫瘤を摘出した.腫瘍は8.5×7×6.5cmで,紡錘形の腫瘍細胞が柵状配列して増生していた.C-kit,CD34陽性であった.術後2年10ヵ月経過現在,再発の徴候なく生存中である
©Nankodo Co., Ltd., 2005