発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006078611
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
51歳男.約11年に及ぶBehcet病(不全型・神経BD病)の加療中,鮮紅色の吐血を認めた.上部消化管内視鏡および上部消化管造影検査では,胃角部小彎前壁に活動期の潰瘍病変を認め,襞の太まり・先細り・融合を伴い,周堤ははっきりしていた.頭部MRIでは神経BDの慢性変化と,T2強調FLAIR像で深部白質に多発する高信号域を認めた.ステロイドを投与し,炎症所見の改善を待って手術を行った.腫瘍は胃角部小彎に触知でき,漿膜面にはひきつれを認めた.また,小彎側に腫大したリンパ節を認め,幽門側胃切除術+D2リンパ節郭清を行った.摘出腫瘍は2×2cmの2型病変で,間質の誘導を伴って浸潤性に増殖する低分化腺癌(por 2)であった.術後はステロイドカバーを行い,良好に経過した.なお,本症例には神経BDに対する約8年間のcolchicine投与があった
©Nankodo Co., Ltd., 2005