発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005264372
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58歳男.患者は腹部腫瘤を主訴とした.腹部造影CTでは胃前壁および前腹壁に接する約15×9cm大の腫瘍を認め,嚢胞性を示す部分と,造影剤で淡く造影される充実性部分が混在していた.一方,造影超音波検査では樹枝状に発育する腫瘍内血管も認められ,壁外性発育を示す胃原発の腫瘍が疑われた.開腹による摘出術を施行したところ,腫瘍は胃前壁から有茎性に発育しており,周囲組織への浸潤や播種は認めなかった.病理組織所見では,紡錘形から類円形の腫瘍細胞の不規則な配列を認め,免疫染色ではCD34,ビメンチン,SMAが陽性であり,S-100,c-kitが陰性で,筋腹性のgastrointestinal stromal tumorと診断された.経過は良好で,術後2年以上が経過した現在,厳重に経過観察を行っているが,再発および転移も認められていない
©Nankodo Co., Ltd., 2005