発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006078613
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63歳女.近医での肝機能障害の精査中,子宮底部の嚢胞性変化を伴う腫瘤を指摘された.MRIで卵巣腫瘍と診断され,手術目的で婦人科入院となった.症例の全身皮膚には多数の結節とカフェオレ斑がみられた.開腹すると,超手掌大の腫瘤がTreitz靱帯より40cmの小腸にあり,S状結腸へ強固に癒着していた.両側卵巣は正常であったため,この時点で外科転科となり,小腸・S状結腸を切除し,腫瘍を摘出した.また,Treitz靱帯より140cmの小腸にウズラ卵大腫瘍を認め,小腸壁全層と共にに切除した.この他,米粒大の腫瘤を小腸漿膜面に散在性に認めた.腫瘍は9×8×8cm大で,空腸間膜側より壁外性に発育していた.細胞分裂像は<10/50HPFであった.免疫組織化学検査ではc-kitが陽性,平滑筋抗体が一部陽性,CD34およびsynaptophysinが陰性で,小腸の消化管間質腫瘍と診断した.小結節は3×2.5×2.5cm大,弾性軟であった.米粒大の散在性腫瘤は残存しているが,術後1年経過時点で再発徴候はみられない
©Nankodo Co., Ltd., 2005