発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006063262
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1995年1月~2005年1月の間に手術を施行した慢性腎不全を合併した非外傷性大腸穿孔11例(虫垂炎を除く)を対象として,症例背景,臨床所見,治療方法,転帰などを調査・解析した.対象は男5例,女6例,平均57.1±14.0歳で,全例に血液透析が行われていた.術前WBCは11445±6806/μlで,CTを行った症例を含め腹腔内遊離ガスは6例(54.5%)にみられ,なかでも遊離穿孔例では8例中5例(62.5%)に確認できた.発症から手術までの時間は25.5±20.4時間であった.死亡率は27.3%となり,死亡した3例は全例が遊離穿孔例で,APACHE IIスコアは20を超え,Mannheim peritonitis indexは26を超えていた.術後管理においては,循環動態が不安定な6例について持続的血液濾過透析(CHDF)による加療を要した.エンドトキシン吸着療法(PMX)は術後4例で行い,術前ショックを認めた3例については術後PMX+CHDFを併用し,2例(66.7%)が救命可能であった
©Nankodo Co., Ltd., 2005