発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006063263
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症例1:65歳男.検診にて胸部異常影を指摘された.胸部CTにて左肺にスピクラを伴う結節影を認め,CTガイド下マーキング後,手術を施行した.胸腔鏡補助下に部分切除し,術中迅速病理検査で腺癌と診断,左下葉切除術とリンパ節郭清を施行した.それから9ヵ月後,上部消化管内視鏡にて胃体下部小彎に0-IIc病変を認め,高分化型管状腺癌の診断で内視鏡下粘膜切除術を行った.症例2:63歳女.下血を主訴とした.大腸内視鏡にて直腸Rsに約半周性の1型腫瘍を認め,cT2N0M0,stage Iの診断であった.さらに胸部CTで右肺S1にpleural indentationとスピクラを伴う不整形腫瘍を認め,class V,肺癌の診断であった.以上より直腸癌と肺癌の同時性重複癌と診断した.まず直腸癌に対し胸腔鏡補助下高位前方切除術,リンパ節郭清を施行し,1ヵ月後肺癌に対し胸腔鏡補助下右上葉切除術,リンパ節廓清を施行した.病理組織所見より直腸癌は高分化腺癌,肺癌は腺癌であった.症例1,2ともに現在まで再発なく,経過中である
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