発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006093117
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67歳男.大動脈炎症候群で,合併する冠動脈病変に対しoff-pump coronary artery bypass graftingを施行された.全身倦怠感,左上下肢の脱力感をで受診した.脳梗塞を疑われ,入院となった.入院後,左上下肢の脱力感は改善したが,入院後3日目に腹痛が出現した.下腹部全体に圧痛と筋性防御を認めた.血液検査で急激な炎症所見の悪化を認めた.腹部単純X線像では麻痺性イレウス像出現を認めたが,腹腔内遊離ガスは明らかではなかった.腹部単純CT検査では腹腔内に遊離ガスを認めた.また,S状結腸の著明な拡張と直腸粘膜下層への気腫性変化の出現を認めた.直腸穿孔を強く疑い,緊急開腹術を施行した.術後1ヵ月目に退院した.術後6ヵ月を経た現在,愁訴なく外来通院中である
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