発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006231519
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S状結腸憩室炎に起因した結腸膀胱瘻2例を経験した.症例1:82歳女.発熱と腹痛に対する加療を受けた約1ヵ月後に出現した混濁尿を契機に腹部CT検査により膀胱内ガス像を認め,結腸膀胱瘻が疑われ紹介入院となった.腹部CT検査,膀胱造影検査からS状結腸膀胱瘻と診断し,手術を行い,手術所見及び切除標本の検討からS状結腸憩室炎に起因するS状結腸膀胱瘻と確定診断を行った.しかし,術後7ヵ月で低栄養による肝不全にて死亡した.症例2:74歳男.近医にてS状結腸憩室炎の経過をみられていたが,下腹部痛と下血を契機に紹介入院となった.抗生物質により一次的に軽快したが,尿が混濁したことから腹部CTを行い,膀胱内ガスを認めたことから膀胱腸管瘻を疑い,膀胱造影検査によりS状結腸膀胱瘻と診断した.開腹手術により瘻を閉鎖すると共に人工肛門を造設した.病理組織学的にS状結腸憩室炎が確定診断された.術後の経過は良好であった
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