発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006063261
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原発巣および同時性肝転移巣に対して根治切除およびマイクロ波凝固術を施行し根治度Bが得られ,他に非治癒因子がない左側結腸癌および直腸癌29例(男20例,女9例,43~82歳)を対象として,下腸間膜動脈根リンパ節(No.253リンパ節)郭清の有無が予後に与える影響を検討した.No.253リンパ節廓清群(No.253廓清群)は20例,中間リンパ節までの廓清を施行した群(No.253非廓清群)は9例で,3年生存率,3年無再発生存率について両群間に有意差はなかった.また再発例の再発形式は全例遠隔臓器再発で,腹腔内のリンパ節再発率に関し両群間に有意差は認めなかった.No.253廓清群においてNo.253リンパ節転移陽性例を2例認め,うち1例は術後3783日で他病死し,1例は術後540日時点で無再発生存中であった.以上,No.253リンパ節郭清の予後予測因子としての明らかな意義を見いだすことはできなかった.しかし,No.253リンパ節転移陽性2例の経過からは,No.253リンパ節郭清の効果が認められた
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