発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004259849
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74歳女.右下腹部痛を主訴とした.右下腹部痛の症状が改善せず,急性虫垂炎の疑いとされた.右下腹部に限局した圧痛と筋性防御を認めたが,明らかな腹部腫瘤は触知しなかった.腹部CTにおいて虫垂起始部に糞石と思われる石灰化を認め,壁の軽度肥厚もあり,急性虫垂炎が疑われた.再検討にて,盲腸領域に魚骨と思われるhigh densityの線状異物陰影を認め,盲腸壁肥厚部で腸管穿孔していることが判明した.急性虫垂炎,盲腸腫瘍の疑いにて,緊急施術を施行した.病理検査では急性の炎症像は認められず,cicatricial appendix(瘢痕性虫垂)との診断であった.術後経過は良好で,第14病日に軽快退院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2004