発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006003417
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60歳女.排便時にいきんだ直後から突然の腹痛が出現し,右上腹部の腫脹を認めた.腹部超音波にて右腹直筋部に一致して紡錘状の腫瘤を認め,内部エコーは不均一な低エコー像を示した.腹部CTでは腫瘤内に造影効果を認め,腹直筋内の出血が疑われた.以上より右腹直筋血腫と診断,疼痛が強いため保存的治療より手術を選択した.全身麻酔下に右傍腹直筋切開にて皮膚切開を加え,腹直筋前鞘を切開すると,右腹直筋内に血腫形成を認め,筋肉の不全断裂も認めた.血腫除去後,止血,断裂部の縫合,ならびにドレナージを施行し,翌日には疼痛は軽快した.術後4日でドレーンを抜去し,その後経過良好で,第9病日に退院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2005