発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006003418
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51歳男.下腹部痛を主訴とした.血液検査にて高度の炎症所見を示し,注腸像上S状結腸部に全長12cmにわたり高度の狭窄を認め,その周辺に多発する憩室病変を認めた.腹部CTではS状結腸部の著明な壁肥厚と多発する憩室(バリウム遺残)を認め,大腸内視鏡所見も合わせ,以上よりS状結腸狭窄を伴う群発型左側結腸憩室炎と診断,S状結腸部分切除術および結腸結腸端々三角吻合術を行った.病理組織像にてS状結腸壁内に固有筋層を伴わない仮性憩室が多発,その周辺組織に多核巨細胞の出現を伴う,急性および慢性炎症像,微小膿瘍形成を認めた.明らかな悪性疾患の合併所見は認めなかった.術後経過は良好で,合併症もなく,3週間後に退院となった.術後6年経過現在,憩室炎,結腸狭窄などの再燃徴候なく,存命中である
©Nankodo Co., Ltd., 2005