発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004013579
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81歳男.1997年6月頃より排便時に左側腹部の腫瘤に気付くようになり,頻回に腫瘤の脱出を認め,精査入院となる.腹部理学所見では起立時にL2レベル左側腹部に6×5cm大,弾性軟で表面平滑な腫瘤を認めたが,臥位で容易に還納された.超音波所見で左側腹部の腫瘤脱出部位に一致して,最大4cm大の筋肉欠損部が認められた.CT所見では左側腹部,第12肋骨の尾側に腸管の一部が腹壁欠損部より脱出しているのを認めた.以上の所見より,左腰ヘルニアと診断し,10月13日手術を施行した.全身麻酔下,右側臥位にて手術を開始した.第12肋骨下縁に沿って腸骨稜に向かい腫瘤の直上を通る皮膚切開を行った.上方を第12肋骨と下後鋸筋,前方を内腹斜筋,後方を脊柱起立筋で囲まれた上腰ヘルニアと診断,内腹斜筋と下後鋸筋とを縫合,次いで外腹斜筋と広背筋を縫合し,ヘルニア門を閉鎖した.術後経過は良好で10月22日退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2003