発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004259855
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52歳女.右側胸部痛,発熱を主訴とした.腹部エコー検査にて胆嚢の腫大,壁肥厚,内腔に多数の小結石を認めた.急性胆石胆嚢炎の診断にて入院となった.経皮経肝胆嚢ドレナージ術(PTGDB)を行い,胆汁培養検査にてHafnia alveiを認めた.腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.胆嚢を肝床から切離する際に,頸部と体部に穴があき結石が腹腔内に多数落下した.落下結石を回収し,手術を終えた.切除胆嚢の粘膜はところどころ脱落し,壁は高度に肥厚していた.内腔はコレステロール系石を多数認めた.合併症なく退院したが,その後に発熱を伴う右側胸部痛を認めた.肝S6の背部から腹壁におよぶ辺縁が不均一に造影される多房性の膿瘍形成を認めた.前回手術時の落下結石が原因の膿瘍と診断し,経皮的ドレナージを行った.膿瘍腔内には6個の小結石を認め,術後経過は良好で再発は認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2004